東京慈恵会医科大学医学部過去問研究2011年度英語入試問題
こんにちは。医学部受験プロ家庭教師の福島です。
英語は 例年 長文1(約 600words), 語句文法小問5,和文英訳1の問題構成です。
昨年度2010年度同様今年2011年度も発音問題が無くなり、語彙・構文・idiom重視の問題構成でした。
今回は Ⅵ 長文総合を解説します。
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こんにちは。医学部受験プロ家庭教師の福島です。
英語は 例年 長文1(約 600words), 語句文法小問5,和文英訳1の問題構成です。
昨年度2010年度同様今年2011年度も発音問題が無くなり、語彙・構文・idiom重視の問題構成でした。
今回は Ⅵ 長文総合を解説します。
(1) 解説 |
National governments are happy to (1)sanction higher levels - 6 grams in the UK - which are reprinted on many food packets. |
3行目の(1)sanctionの意味は「ご裁可を下す・認可する」で, 思い出し方はsanctの意味がsacred「神聖な」とかsaint「聖人」にみられる語根「神の・神聖な」から「神が認める」となり「裁可する」の意味である。 正解は3のapprove「承認する」が類義語 |
(2) 解説 |
On its website the European Salt Producers' Association proudly, if perhaps a little incautiously, (2)touts a figure of 8 grams a day per capita salt consumption. |
6行目の(2)toutは「のぞき見る・じっと見る→予想する→大げさに宣伝する・しつこく勧める」という意味。 思い出し方は家庭教師tutorとか家庭教師料tuitionにあるtuitが「のぞき見る・じっと見る」という語根から思い出す。 正解であるappraise「鑑定する」は,この本文ではtoutは「予想する」=appraise「見積もる」としなければならないので注意すること。 他の選択肢を消去することではじめて正解は1appraise |
(6) 解説 |
Cereals are especially (6)assiduous about idsplaying this information, perhaps because it is at breakfast that we are most likely to pause to consider our dietary health. |
27行目の(3)assiduous(形)は,「勤勉な」という意味。語根はsid=sitで「いつまでも机に坐っている」ことが想像できる。「勤勉な」主語は無生物主語Cerealsだが英語では全く問題はない。ここの無生物主語構文を和風に変換するとCereals are especially assiduous about displaying this information,= This information are especially assiduously displayed on cerealsとなる。 |
答 (1)3approve (2)1appraise (3)1diligent |
下線部(4)と(5)のtheyが示す内容を、それぞれ本文中の英語で答えなさい。 |
解説 |
11行目の(4)theyは,10行目のtheyと同一でさらには8行目のThe producersと同一である。ヒントとしてはそれら3箇所の動詞が人を主語とすることである。They point out, they insist, The producers are vigorous in their defense of ...。 |
問2 (4)the producers (5)packaged foods |
次の文を本文中の(A),(B),(C),(D)のいずれかに挿入する場合、どこが最も適切な箇所か。1つ選び、記号で答えなさい。 Not all people should automatically reduce their salt intake, therefore. |
解説 |
挿入文はNot all people should automatically reduce their salt intake,therefore.「それゆえすべての人が塩の摂取を減らすのが良いとは必ずしもいえない」であるから,特にtherefore「それゆえ」がつくる因果関係を意識することになる。 13行目の「年寄りは高血圧になりやすいので心配して塩分を減らす」が理由で,挿入文Not all people should automatically reduce their salt intake,therefore.「それゆえすべての人が塩の摂取を減らすべきとは必ずしもいえない」が結論となる。 しかしこの因果関係は変だ。「年寄りは高血圧になりやすいので心配して塩分を減らす」それゆえ「すべての人が塩の摂取を減らすべきとは必ずしもいえない」ではおかしいと気づく。 しかし挿入文は内容的に考えてBにしか入らない。正解はBだ。 ではどこがおかしかったのか?挿入文Not all people should automatically reduce their salt intake,therefore.の和訳がおかしかったのだ。正しい接続関係は因果関係ではなく逆接の関係だったのである。「年寄りは高血圧になりやすいので心配して塩分を減らす」しかし「だからといってすべての人が塩の摂取を減らすべきことにはならない」と言う和訳になるべきなのである。 文法的にはthereforeの位置が文頭ではなく文尾にあることからわかるのである。Not all people should automatically reduce their salt intake,therefore. 文尾のthereforeはall people should automatically reduce their salt intakeに掛けてから,最後にNotで否定するのが正しい。「therefore(だから)all people should automatically reduce their salt intake(すべての人が塩の摂取を減らすべき)・Not(ことにはならない)」という和訳になる。正解はB この表現はつぎの例と同じ種類のものである。 Mt. Fuji is not valuable because it is very high.この英文の和訳は「富士山は高いから尊くない」ではなく「富士山は高いから尊い,というわけではない」が正しい。 |
答 B |
空所【X】に入れるのに最も適切なものを、1~4の中から1つ選び、記号で答えなさい。 1. brief 2. briefing 3. briefed 4. briefs |
解説 |
32行目の空所Xの文法的な語形を答える問題。,which makes the danger appear less to consumers not fully ( X ) on the chemistry.の和訳は「そういうやりかたによって,塩に関する科学に関して十分にわかりやすく教えられていない消費者にとってその危険性が実際より少なく思えてくる」となる。つまり空所Xにはconsumersの説明を追加する関係詞節代用の準動詞が入る。 正解を2と3に絞る。2なら能動でbriefing=who briefed/who brief,3なら受動でbriefed=who were briefed/who are briefedとなる。brief「大要を伝える(他)」の意味から考えて「大要を十分に伝えられていない消費者」という受動的な意味にするのが正しい。正解は3 |
答 3briefed |
解説 |
(4)は本文に矛盾する。Notが不要。13行目で「年よりは高血圧になりやすい」とある。 |
答 4 |
解説 |
(3)は本文に書かれている。29~30行目にIn a sense, this is medically useful since sodium is the component of salt linked to high blood pressure.とある。下線部の和訳は「ナトリウムは高血圧と関係のある食塩の成分である」 |
答 3 |
下線部(3)を和訳しなさい。 |
解説 |
ポイントがいくつかある。ひとつめは名詞構文。Are vigorous in their defenseの部分。直訳では不自然なので和風変換を使ってきれいな和訳にする。簡単な例文としてはI am good at playing tennis.「私はテニスが上手」を和風変換するとI play tennis well.「私は上手にテニスをする」となる。この場合はどちらでも和訳としては文句なしだが,本文では「彼らの擁護において精力的だ」では不自然。むしろ「彼らは積極的に擁護する」がよい。 2点目はas ... as S want「好きなだけ...」という慣用表現。例としてはYou can drink as much beer as you want.「好きなだけビールを飲んでよい」。この表現では後ろのasは関係詞で先行詞はbeer,またwantの後にはto drinkが省略されている。本文8行目ではconsume as much salt as they want [ to consume ],となる。 3点目はtonesの意味。「調子」でもよいがここでは「論調」にする。 4点目は先行詞tonesにかかるthatが関係代名詞の主格だということ。同時にthatは無生物主語でrecallが他動詞でlobbyが目的語なので直訳を避けて和風変換すること。無生物主語→副詞,他動詞→自動詞,目的語→主語のテクニックを使う。「タバコの圧力団体を思い出させるような論調で」から「(それによって)タバコの圧力団体が思い出されるような論調で」とする。 5点目はrecallの意味。「①~を思いだす ②~を人に思い出させる」の二つがある。②の場合<remind+人+of+事>に対し<recall+人+to+事>となる。 6点目はlobbyの意味。leaf「葉っぱ」,そこからドイツ語のlaubia「東屋」と関係があり,「議員が院外者との会見などに用いる議事堂のロビー,控えの間」から「特定の団体の利益のために議員に働きかける一団」となった。以上の点を考慮して和訳する。正解は「製塩業者は,時にはタバコの圧力団体が髣髴されるような論調で,人々が好きなだけ塩を消費する権利を精力的に擁護している」 |
答 製塩業者は,時にはタバコの圧力団体が髣髴されるような論調で,人々が好きなだけ塩を消費する権利を精力的に擁護している |
スペースONEプロ家庭教師の福島です。今年度は 慈恵医大のⅥと日本医科大のⅣの解説を担当しました。
日本医科大学2011年度英語入試問題Ⅳ(長文総合)解説解答
2011年度東京慈恵会医科大学医学部入試問題 英語[Ⅵ]はいかがでしたか。
塩も煙も身近な問題でテーマとして気になりますが,内容的には明日からの生活に役立ちそうな情報は少ないかな?
問題としては正解がきれいに出ないものが1割ほどありました。全体的には標準ですか?