明治大学文部日本史入試問題解説
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明治大学文学部2011年度入試問題研究
明治大学文学部過去問研究
2011年度の明治大学文学部日本史入試問題は 例年通りマーク・記述併用の解答形式。出題内容も各時代ごとに満遍なく出されていました。
出題内容はⅠ原始・古代の文化と政治(マーク式解答) Ⅱ 中世の宗教と経済(記述式解答) Ⅲ 近世の政治と経済(マーク式解答) Ⅳ 近代の法令(マーク式解答) Ⅴ 近現代の政治経済(記述式解答)でした。
今回はⅡ 中世の宗教と経済(記述式解答)を解説します。
2011年度日本史入試問題
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史料 解説
「善人なおもちて往生をとぐ、況や悪人をや。しかるを世の人常に曰く『悪人なお往生す。いかに況や善人おや』と。 この条、一旦その謂われあるに似たれども、本願他力の意趣にそむけり。 その故は、自力作善の人は、ひとえに他力を頼む心欠けたる間、弥陀の本願にあらず。 しかれども、自力の心を翻して、他力を頼み奉れば真実報土の往生をとぐるなり。 煩悩具足の我らは、何れの行にても生死を離るることあるべからざるを哀れ給いて、願を起こし給う本意、悪人成仏の為なれば、他力を頼み奉る悪人、最も往生の正因なり。よりて善人だにこそ往生すれ、まして悪人は」と仰せそうらいき。
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現代語訳 |
善人でさえ浄土に往生することができるのです。まして悪人はいうまでもありません。 ところが世間の人は普通、「悪人でさえ往生するのだから、まして善人はいうまでもない
」 といいます。これは一応もっともなようですが、本願他力の救いのおこころに反しています。なぜなら、自力で修めた善によって往生しようとする人は、ひとすじに本願のはたらきを信じる心が欠けているから、阿弥陀仏の本願にかなっていないのです。しかしそのような人でも、自力にとらわれた心をあらためて、本願のはたらきにおまかせするなら、真実の浄土に往生することができるのです。 あらゆる煩悩を身にそなえているわたしどもは、どのような修行によっても迷いの世界をのがれることはできません。阿弥陀仏は、それをあわれに思われて本願をおこされたのであり、そのおこころはわたしどものような悪人を救いとって仏にするためなのです。ですから、この本願のはたらきにおまかせする悪人こそ、まさに浄土に往生させていただく因を持つものなのです。 それで、善人でさえも往生するのだから、まして悪人はいうまでもないと、聖人は仰せになりました。 |
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出典 『歎異抄』 |
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作者は、如信説・覚如説・唯円説がある。一般的には、唯円説を定説とする。 |
親鸞の死(1262年)後2、30年ころの成立。親鸞没後に信徒たちの間に行われていた異端を歎き、親鸞の伝えた真信に返そうとしてつくられたもの。18条からなり、前の10条は親鸞の法語、あとの8条は親鸞没後の末徒の異義への批判を所収。 |
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1解説解答
1.空欄には、すべて同じ漢字二字の語が入る。その語を漢字で記せ。 |
解説 |
「善人なおもちて往生をとぐ、況や悪人をや。しかるを世の人常に曰く『悪人なお往生す。いかに況や善人おや』と。 この条、一旦その謂われあるに似たれども、本願他力の意趣にそむけり。 その故は、自力作善の人は、ひとえに他力を頼む心欠けたる間、弥陀の本願にあらず。 しかれども、自力の心を翻して、他力を頼み奉れば真実報土の往生をとぐるなり。 煩悩具足の我らは、何れの行にても生死を離るることあるべからざるを哀れ給いて、願を起こし給う本意、悪人成仏の為なれば、他力を頼み奉る悪人、最も往生の正因なり。よりて善人だにこそ往生すれ、まして悪人は」と仰せそうらいき。 |
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歎異抄第一条から第十条は、親鸞が直接唯円に語ったとされる言葉が書かれている。史料は 第三条で、悪人正機説を明快に説いたものとして、現在でもよく引用されている。
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往生:往とは極楽浄土にゆく事、生とは、そこに化生する事。 |
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答 往生 |
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2 解説解答
2.この史料に示された仏教思想を表現した語を、史料中の漢字二字の語を含めた漢字四字の語で記せ。 |
解説 |
浄土真宗の教義の中で重要な意味を持つ思想:悪人正機「悪人こそが阿弥陀仏の本願(他力本願)による救済の主正の根機である」
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答 悪人正機 |
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3 解説解答
下線部の主体である人物が著した書物の名を、漢字で記せ。 |
解説 |
歎異抄第一条から第十条は、親鸞が直接唯円に語ったとされる言葉が書かれている。よって 主体は親鸞。親鸞は主著『教行信証』で、称名の形式や回数よりも阿弥陀へのひたすらの信心だけで往生が約束されると説き、また阿弥陀が救おうとする対象は、自力作善の善人よりも、生活のためには心ならずも殺生などの悪行を行わざるを得ない武士、女性、商工人であるという、いわゆる悪人正機説をうちだした。 |
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答 『顕浄土真実教行証文類』(略名 『教行信証』) |
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4 解説解答
下線部の主体である人物を開祖とする教団の中心となった寺院の名を、漢字で記せ。 |
解説 |
浄土真宗:親鸞が、師である法然によって明らかにされた浄土往生を説く真実の教えを継承し展開させ、親鸞の没後にその門弟たちが、教団として発展させた。
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浄土真宗の中心となった寺院は本願寺 |
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答 本願寺 |
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5 解説解答
この史料に見える主張のような他宗派の教義を厳しく批判し、「南無妙法蓮華教」を唱えることで人々救済されると説いた書物の名を、漢字で記せ。 |
解説 |
日蓮は法華経を信じて題目「南無妙法蓮華教」を唱えれば国土は災厄を免れ、幸福になると日蓮宗(法華宗)を説いた。 |
日蓮の主要著書は『立正安国論』,中心寺院は久遠寺(山梨県)。 |
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答 立正安国論 |
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6 7 解説解答
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6 空欄aにあてはまる語を漢字で記せ。 |
7 空欄bにあてはまる語を漢字で記せ。 |
解説 |
「正長元年九月 日、一天下の土民蜂起す。徳政と号し、酒屋、土倉、寺院等を破却せしめ、雑物等恣に之を取り、借銭等悉く之を破る。官領、之を成敗す。凡そ亡国の基、之に過ぐべからず。日本開白以来、土民の蜂起之初めなり。」
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正長の土一揆
凶作、流行病、将軍の代替わり(5代足利義持から6代足利義教へ)などの社会不安が高まる中、1428年(正長元年)8月から9月に近江坂本や大津の馬借が徳政を求めて起こした一揆である。その一揆が波及し畿内一帯に広がり、各地で借金苦に苦しんだ農民たちが酒屋、土倉、寺院(祠堂銭)を襲った。幕府はこれに窮し、管領畠山満家に命じて制圧に乗り出し、侍所所司赤松満祐も出兵したが一揆の勢いは衰えず、9月中には京都市中にも乱入。奈良にも波及した。結局、室町幕府は徳政令を出さなかったものの、土倉らが持っていた借金の証文が破棄されたために私徳政が行われたのと同じ状態となった。また、大和では、国内のほぼ全域を自己の荘園化し、かつ幕府から同国守護にも補任されていた興福寺が徳政令を認めたために、公式な拘束力をもったものとして施行された。
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「大乗院日記目録」:奈良興福寺の門跡寺院である大乗院に伝来した日記類を、第27代門跡尋尊が編集した書物。全四巻。記録された範囲は1065年(康平3年/治暦元年)から1504年(文亀3年/永正元年)まで。 |
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答 a 土民 b 徳政 |
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8 解説解答
この史料に見える事件が起きた年に、ある人物が室町幕府将軍職の後継者に指名された。その人物の姓名を記せ。 |
解説 |
5代足利義持が死に臨んで将軍後嗣を定めなかったため、いずれも僧籍にあった四人の弟の中から籤で天台座主義円と決定した。還俗して義宣、さらに義教と改名した。 |
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答 足利義教 |
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9 解説解答
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解説 |
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柳生の徳政碑文 |
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旧添上郡柳生村の柳生街道に面する、芳徳寺と川を隔てた崖に、地蔵菩薩立像(通称「疱瘡地蔵」)を彫りつけた花崗岩の巨石が存在し、その右下部分に27文字の碑文が刻まれている。正長元年(1428年)の正長の土一揆によって徳政令を勝ち取った郷民が記念に彫ったものとされている。 |
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正長元年ヨリサキ者カンへ四カンカウニヲ井メアルヘカラス |
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読み下し文「正長元年より先は、神戸四箇郷に負い目あるべからず」 |
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「正長元年より以前の、神戸(かんべ)四箇郷における負債は一切消滅した」という、徳政令の具体的内容を記したものと解釈されている。 |
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「神戸四箇郷」とは大柳生庄、小柳生庄、坂原庄、邑地庄の4庄を指し、それは、芳徳禅寺に伝わる沢庵宗彭の鐘銘文に「神戸(かんべ)四ヶ郷」とあることからも証明されている。 |
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答 負債は一切消滅した(9字) |
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