東京都立日比谷高等学校独自作成数学入試問題研究 独自数学入試問題 2009年度も数学入試問題は例年通り小問集合を含む大問4題構成でした。 1.小問集合5問 2.平面図形の作図と証明 3.関数のグラフ 4.立体図形が出題されました。日比谷高校の独自数学入試問題には作図・図形の証明が必出です。 今回は2を解説します。
右の図1で,△ABCは正三角形である。1辺の長さが8cmのとき,次の各間に答えよ。 〔問1〕 図1において,線分BC上に,BD:DC=5:3となるような点Dを,右に示した線分BCをもとにして,定規とコンパスを用いて作図によって求め,点Dの位置を示す文字Dも書け。 ただし,作図に用いた線は消さないでおく 〔問2〕 右の図2は,図1において,辺ABの中点をE,辺ACの中点をFとし,辺BC上に異なる2点をとり,頂点Bに近い方から順に点G,点HとしてGH=4cmとし,さらに点Eと点Hを結び,点Fト点Gから線分EHにひいた垂線と,線分EHとの交点をそれぞれⅠ,Jとした場合を表している。 ただし,点Gは頂点Bに,点Hは頂点Cに一致しないものとする。 点Fと点J,点Gと点Ⅰをそれぞれ結んでできる四角形FJGIは平行四辺形であることを証明せよ。 〔間3〕 図2において,CH=3cmとするとき,点Eと点Gを結んでできる線分EGの長さは何cmか。
問2 右の図2は,図1において,辺ABの中点をE,辺ACの中点をFとし,辺BC上に異なる2点をとり,頂点Bに近い方から順に点G,点HとしてGH=4cmとし,さらに点Eと点Hを結び,点Fト点Gから線分EHにひいた垂線と,線分EHとの交点をそれぞれⅠ,Jとした場合を表している。 ただし,点Gは頂点Bに,点Hは頂点Cに一致しないものとする。 点Fと点J,点Gと点Ⅰをそれぞれ結んでできる四角形FJGIは平行四辺形であることを証明せよ。 解説 中点連結定理(三角形の2辺の中点を結ぶ線分は、残りの辺に平行で、長さはその半分である。)を用いて証明しましょう。 証明 EFはそれぞれ辺AB,辺ACの中点なので、中点連結定理より EF//BC, EF=1/2BC=4cm 仮定より EF//GH・・・① EF=GH=4m・・・② △EIFと△HJGにおいて 仮定より ∠EIF=∠HJG=∠R・・・③ また平行線の錯角は等しいので∠FEI=∠GHJ・・・④ ②③④より 直角三角形の斜辺と1つの鋭角がそれぞれ等しいから△EIF≡△HJG したがってFI=GJ・・・⑤ ①よりFI//GJ 四角形FJGIにおいて ①⑤より1組の向かいある辺が平行で等しいので、四角形FJGIは平行四辺形である。
問3 図2において,CH=3cmとするとき,点Eと点Gを結んでできる線分EGの長さは何cmか。 解説 Eから辺BCに垂線をおろし、辺BCとの交点をKとする。 EB = 4cm, BK = 2cm 三平方の定理より BK=2cm BG=1cmより GK=1cm